研究開発室

これまでに培ってきた確かな技術と開発力で自然環境と社会環境を調和を実現させ、産業を支えています。

当社は、1987年(昭和62年)に開発したアサリ増殖場のサンドチューブ広報が公共事業に採用されたことを契機として、アサリ増殖場の造成に適した場所の選定や、物理・生物的環境の調査をはじめ、豊かな漁場づくりを推進するため、1990年に研究開発室を設置しました。

第11回国土技術開発賞域貢献技術賞受賞

見えないブロックの撤去工法を開発

ホタテガイはある程度の大きさまで養殖され、その後、深い海域に放流されて育ちます。その養殖施設を固定するため、15tもあるブロックが設置されていますが、高波浪による地まきホタテガイの被害軽減やブロックの維持補修を行えるよう、ブロックを引き上げる必要がありました。 しかし、水深が50mもある海域に設置位置の分からないブロックを撤去する方法は、潜水士による玉掛しかなく、しかもその方法は危険で効率が悪いため、新たな撤去工法の開発が必要となりました。

開発した専用バケット ブロックの撤去状況
特殊バケットを開発し、ブロックを撤去できるようになりました。 特殊バケットを開発し、ブロックを撤去できるようになりました。

見えないブロックを掴むために、ブロックに連結されているロープに着目しました。
ロープを緊張させて大まかな位置を特定し、そのロープを特殊バケットの中心に設けたガイドへ通して、
水中カメラの映像から判断してバケットを誘導する技術を確立しました。
これにより、ブロックをバケットで掴み取ることができました。

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これまで養殖施設があった海域に地まきすることができ、高波浪による被害を低減できるようになりました。この海域は生息環境が良く、ホタテガイの成長促進も期待できます。

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海中に設置してから数十年が経過していたため、養殖施設を固定していた金具が劣化していました。これまでは補修することは考えられていませんでしたが、ブロックを引き上げたことで維持管理ができるようになり、養殖事業持続の一助となりました。

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ブロックを補修する際、ブロックの重量を増加させたので、一施設あたりの生産性が向上しました。このことは生産者のみならず、水産加工業者を含めた水産関係者へ貢献したとして、第11回国土技術開発賞域貢献技術賞を受賞しました。

特許出願中

研究の背景

近年、香港や中国での需要の高まりで、マナマコの漁獲量が急増しています。特に北海道沿岸に生息しているマナマコは、イボ立ちが良く好まれています。このため、資源の枯渇が懸念されているため、道内各地で人工種苗の生産、放流が行われています。しかし、放流したマナマコがどんな成長・生残をしているのかを把握することは難しい状況にありました。

ナマコフェンス設置状況 高価なマナマコ

解決の糸口

マナマコは、海底面を這って移動しますが、海中から空中に出て移動することはできません。そこで、海中に空気層を有するフェンス(空気ポケットフェンス)があれば、マナマコの移動を制御できます。マナマコの移動を制御できれば、これまで困難だった成長や生残を追跡することができると考えました。

マナマコの移動制御
マナマコ資源の減少を防ぎたい!空気ポケットフェンスを用いたマナマコ増養殖技術の開発 マナマコ資源の減少を防ぎたい!空気ポケットフェンスを用いたマナマコ増養殖技術の開発

平成26年から東海大学と共同で、空気ポケットフェンスを用いて、開放的でありながらマナマコの移動を
制御できる施設を試作し、新たなマナマコ増養殖技術の開発に取り組んでいます。
空気ポケットフェンスで周囲を囲むことにより、マナマコの分散を防ぐこと、
そしてマナマコの害敵であるヒトデやカニ・ヤドカリ類の侵入も防ぐことができます。

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東海大学の室内水槽にて、空気ポケットフェンスがマナマコの移動を制御できることを確認しました。

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漁港内に空気ポケットフェンスを有する試験施設を設置し、東海大学と成長・生残の追跡調査しています。

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人工種苗生産されたマナマコが2〜3年で漁獲サイズに成長するような施設を目指して調査・研究中です